Japanese
English
Bedside Teaching
AIDSの標準治療
AIDS Standard Antiretroviral Therapy
本村 和嗣
1
,
大石 和徳
1
,
永武 毅
1
Kazushi Motomura
1
,
Kazunori Oishi
1
,
Tsuyoshi Nagatake
1
1長崎大学熱帯医学研究所感染症予防治療研究分野
1Department of Internal Medicine, Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University
pp.1031-1035
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100735
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はじめに
1990年半ばにHighly-Active-Antiretroviral-Therapy (HAART)が開発されて以来,HIVの増殖を効率的に抑制できるようになり,AIDSによる死亡者数は激減した.
ところが,当初は体内からHIVが駆除される治療として期待されていたが,最近は難しいとの見方が強い1).HAARTにおいては,服用する薬剤の多さや,それに伴う費用の問題,プロテアーゼ阻害剤による毒性が蓄積し副作用も多かった.そのため,患者のアドヒアランスが悪く服薬が守られず,結果的には中途半端な服薬が薬剤耐性株を生み出すという悪循環に陥った一面もある.この点は,われわれ臨床の現場からは予測できなかった事態である.このことから,米国の治療ガイドライン2)では,HARRTの導入を遅らせることに転換しつつある.それを改善するために,ここ7年間,HIVに対する抗ウイルス療法は新規薬剤開発や副作用対策において,めまぐるしく進歩している.
現在,使用可能な抗HIV薬にはHIVの逆転写酵素阻害剤,HIVのプロテアーゼ阻害剤(ウイルス粒子の完成阻害)の2種類がある.ガイドラインで推奨されている抗HIV療法は多剤併用療法であり,効果が強い薬剤と効果が弱い薬剤を組み合わせて使用されている.
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