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Bedside Teaching
呼吸器疾患患者における肺炎球菌ワクチン
Pneumococcal Vaccination among Patients with Lung Disease
石田 直
1
Tadashi Ishida
1
1倉敷中央病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kurashiki Central Hospital
pp.923-927
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100720
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はじめに
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)はグラム陽性双球菌でヒトの口腔内や上気道に常在し,健康人の30~70%が保有しているといわれているが,呼吸器感染症,髄膜炎,中耳炎の主要な起炎菌である.特に呼吸器感染症の分野では,市中肺炎,院内肺炎,慢性気道疾患増悪時における主要起炎菌の一つである.さらに,近年ペニシリン耐性肺炎球菌(Penicillin-resistant S. pneumoniae;PRSP)を中心とする薬剤耐性肺炎球菌(Drug-resistant S. pneumoniae;DRSP)の増加が臨床上問題となっている.
肺炎球菌ワクチンは,欧米では重要なワクチンと位置づけられ汎用されている.本邦では従来あまり使用されてこなかったが,最近ようやくその有用性が認識されるようになり接種率が向上しつつある.
本稿では,呼吸器疾患における肺炎球菌の重要性と肺炎球菌ワクチンの概要を述べ,特に呼吸器疾患を持つ患者における本ワクチンの適応と有用性を考えてみたい.
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