巻頭言
呼吸器内科医,外科医の提携
白日 高歩
1
1福岡大学医学部第二外科
pp.435
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100655
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呼吸器疾患の診療は時代とともに変遷してきた.例えば,筆者が大学医学部を卒業した頃の昭和40年代前半に担当させられる患者のほとんどは肺結核症であった.ところが数年を経ずして状況は著しく変化し,非結核性肺疾患すなわち肺癌,間質性肺炎,COPDといった疾患群が入院患者の主体を占めるようになった.
このような疾患群の頻度的変化に呼応して,治療内容もどんどん変化してきた.例えば,肺結核は現在では抗結核剤投与のみで大部分の症例を略治に持ち込むことが可能となった.また肺の小細胞癌などは当初「発見次第すぐに家に帰して畳の上で死ぬ機会を与えるのが当り前だ」といったことを先輩から言われたりもしていたが,抗癌剤の進歩により長期生存が可能となっている.そして今日,各種呼吸器疾患に関する知識は増大かつ複雑化し,その治療のために様々な分野の経験や研究成果が動員されねばならぬ状況である.
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