Japanese
English
Current Opinion
心筋梗塞のリハビリテーション―心不全の運動療法と統合的心不全管理プログラム
Cardiac Rehabilitation after Myocardial Infarction
後藤 葉一
1
Yoichi Goto
1
1国立循環器病センター心臓血管内科
1Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, National Cardiovascular Center
pp.291-299
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100645
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心筋梗塞のリハビリテーションをめぐる最近1年間の話題
近年,高齢患者,心不全患者の増加や二次予防意識の高まりとともに心臓リハビリテーションの意義がさらに高まっており,多数の論文が発表されている.最近1年間の話題として,1)心臓リハビリテーション・運動療法・運動習慣の長期効果,2)心不全の運動療法,3)運動とプレコンディショニング,4)運動療法・身体活動度と炎症マーカー,サイトカイン,5)運動療法と遺伝子,6)レジスタンストレーニングの有効性,7)冠動脈インターベンション後の運動療法,8)心臓リハビリテーションへの参加率と継続率,方法論,ガイドライン,9)運動指標による予後予測が挙げられる.以下,個々の項目について述べる.
1 心臓リハビリテーション・運動療法・運動習慣の長期効果
心臓リハビリテーションが心疾患患者の運動耐容能を改善することはすでに確立されているが,近年は心臓リハビリテーションによる冠危険因子,QOL,長期予後の改善が重視される1~4).また,わが国からのエビデンスも出ている4,5).注目されるのは運動の強さと量のいずれが重要かを検討した報告6,7)で,2つの結果を総合すると,運動の強さよりも量が重要であると考えられる8).すぐれた臨床研究9,10),総説11~13),興味深い動物実験の報告14,15)もある.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.