増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅳ 循環器疾患治療薬
急性心筋梗塞
101.急性心筋梗塞における心不全薬の使い方
竹内 弘明
1
,
小堀 悦孝
1
1日赤医療センター・循環器内科
pp.1994-1995
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221221
- 有料閲覧
- 文献概要
急性心筋梗塞の治療のすすめ方(表1)
急性心筋梗塞(AMI)の治療は,患者の年齢,病状により著しく異なり,一律に決めるのは困難である.しかし,AMIの初期治療として冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)は広く有効性が認められており,発症6時間以内の症例や,発症後6時間を過ぎても胸痛が持続している例やR波が残存している例などでは,積極的に試みてみる方法である(とりわけ左冠動脈主幹部閉塞によると思われるショック例).
一方,PTCRのタイミングを逸して入院した例については,年齢,梗塞部位と範囲(心電図,心臓超音波断層図などにより判定)およびvital signを参考に重症度決定をし,スワンガンツカテーテル(SGカテ),膀胱留置バルーンなどを使用するか否か決定する.70歳以上の高齢者はしばしば拘禁症状(CCU症候群)を呈し,むしろその後の治療を妨げる結果になりかねないので使用には注意を要する.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.