Japanese
English
Bedside Teaching
アディポネクチンと動脈硬化
Adiponectin and Atherosclerosis
窪田 直人
1
,
山内 敏正
1
,
門脇 孝
1
Naoto Kubota
1
,
Toshimasa Yamauchi
1
,
Takashi Kadowaki
1
1東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科学
1Department of Metabolic Diseases, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.177-181
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100628
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はじめに
Reaven GMらが,動脈硬化促進にいくつかの危険因子が集積していることを一つの症候群として捉え,syndrome X1)という疾患概念を提唱して以来,死の四重奏2),インスリン抵抗性症候群3),内臓脂肪症候群4)など同様の疾患概念が存在することが明らかにされている.そして近年では,これらを総称してmultiple risk factor syndrome(MRFS)という概念が使われている(図1).このMRFSは,わが国の死因の第1位を占める動脈硬化疾患(心筋梗塞,脳梗塞など)の最大の原因であり,その共通基盤にある肥満(特に内臓脂肪蓄積)や,それに伴うインスリン抵抗性の原因を解明し,これに立脚した予防法や治療法を確立することは急務である.
本稿では,脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポカイン)の一つであるアディポネクチンと動脈硬化について,その発症基盤となっている肥満,インスリン抵抗性を含め,われわれのデータを中心に概説したい.
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