特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
低アディポネクチン血症の動脈硬化リスクの意義とその対策
大内 乗有
キーワード:
アディポネクチン
,
冠動脈疾患
,
炎症
,
動脈硬化
Keyword:
アディポネクチン
,
冠動脈疾患
,
炎症
,
動脈硬化
pp.67-71
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.10_0067-0071
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冠動脈危険因子である耐糖能異常,脂質代謝異常,高血圧を高率に合併するメタボリックシンドロームは,動脈硬化性疾患の易発症病態である1)。そして,内臓脂肪過剰蓄積がメタボリックシンドロームや動脈硬化をはじめとする心血管疾患の重要な発症基盤であることが明らかになっている1)。脂肪組織はアディポサイトカインと総称される生理活性物質を分泌する内分泌器官として働いていることが知られている。脂肪蓄積,特に内臓脂肪蓄積に伴うアディポサイトカインの調節・分泌異常がメタボリックシンドロームや心血管疾患の病態において重要な役割を担っていることが明らかになってきた2)。アディポネクチンは脂肪組織特異的発現を示し,内臓脂肪蓄積に伴って減少するアディポサイトカインである。血中アディポネクチンが低値を示す状態(低アディポネクチン血症)はメタボリックシンドロームや動脈硬化性疾患の病因になりうるだけでなく,病態評価とも関連する。本稿では,低アディポネクチン血症と動脈硬化リスクとの関連について述べる。「KEY WORDS」アディポネクチン,冠動脈疾患,炎症,動脈硬化
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