特集 小児循環器 最近のトピックス
5.小児心移植後の収縮能・拡張能評価
白神 一博
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.149-155
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003358
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心臓移植後の心機能を考慮する際に大きな影響を与えるのは移植術を経て除神経心となることである.移植心は自律神経系の調節機構を失うが代償機序によりNYHA I度の状態となる.運動負荷時には正常心とは異なる代償機転により心拍出量を増やしており,この理解は麻酔時などの管理に役立つだろう.
移植心の収縮能については,術後早期に低下するがその後回復し,おおむね正常で経過する.一方で,拡張能については遠隔期にも低下しているとする報告が多い.収縮・拡張能は拒絶反応やシクロスポリン投与による高血圧,心臓移植片血管障害合併症により悪化するため,これらの継続的な評価が重要となる.
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