Japanese
English
Bedside Teaching
シックハウス症候群
Sick House Syndrome
馬島 徹
1
Toru Majima
1
1日本大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.739-743
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100584
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はじめに
「シックハウス症候群(Sick House Syndrome;以下SHS)」は「シックビル症候群(Sick Building Syndrome)」から派生した和製造語であるが,必ずしも医学的に病態,診断,治療が確立された疾病概念ではなく,様々な定義づけが行われている.1970年代より欧米各地のいわゆる省エネビルで,ビルの所有者のみならず居住者から眩暈,吐気,頭痛,平衡感覚の失調,眼,鼻,咽喉痛,粘膜や皮膚の乾燥感,咳,喘鳴などの呼吸器系の諸症状を訴える苦情がみられるようになり,州や国レベルでも問題となり,これらが Sick Building Syndromeと提唱されるようになった.シックハウス症候群は住居が原因となって現れる愁訴や疾病の総称である.
本稿ではシックハウス症候群の現在の概念と呼吸器系に及ぼす影響について述べる.
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