連載 いま知っておきたい環境問題・5
シックハウス症候群
池田 耕一
1
1国立公衆衛生院建築衛生学部
pp.514-522
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901997
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はじめに
ここ1年ほどテレビ新聞雑誌などのマスコミで,室内空気汚染の1つとして「シックハウス症候群」「化学物質過敏症」の問題が取り上げられ話題となっている。この問題は,オイルショック後に起こった室内空気汚染問題(シックビルディングシンドローム:SBS)の1つである。従来のSBSは,建物の気密化による換気量の減少や,新建材やOA,HA機器の導入による新しいタイプの汚染物質の発生などのように,建物やその付帯設備や家具調度などの建物・設備などのハード面の変化よって生じたものである。一方,近年の「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」の問題は,このようなハード面の変化に加え,居住者の体質や生活様式などの人間側の変化が,大きな鍵となっている点が特徴である。
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