巻頭言
虚血心筋への血行再建
藤田 正俊
1
1京都大学医学部保健学科
pp.989
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100551
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心筋虚血(狭心症)は,心筋に対して十分な血液が供給されないことにより心筋酸素バランスの不均衡によって生ずるものである.四半世紀前までは,心筋虚血の改善予防対策はもっぱら心筋酸素需要量抑制に向けられていた.現在でもβ遮断薬,硝酸薬が労作狭心症の基本薬として使用されている.
1969年故Favaloroの冠動脈バイパス術,1977年故Grü ntzigの冠動脈形成術の出現により,虚血心筋の治療概念の大きな変革がもたらされた.すなわち,心筋虚血の原因は心筋への血流低下によるものだとの原点に戻り,虚血心筋への血流を確保しようとする治療戦略である.現在,冠動脈バイパス術,冠インターベンション両者が,術式の工夫,新しいデバイスの登場により,急性心筋梗塞をも含めた虚血性心疾患治療の臨床現場での中心的役割を果たしている.
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