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Bedside Teaching
β遮断薬のインバース・アゴニズム作用
Inverse Agonistic Effect of β-adrenergic Receptor Blockers:New pharmacologic profile and its clinical relevance in the treatment of congestive heart failure
吉川 勉
1
Tsutomu Yoshikawa
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
1Cardiology Division, Department of Medicine, Keio University School of Medicine
pp.1105-1109
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100474
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はじめに
インバース・アゴニストという概念はδオピオイド受容体において初めて報告された1).このような概念はその後ほとんどのグアニン結合(G)蛋白質共役型受容体に当てはまることがわかり,それまでは完全あるいは部分的アゴニストとアンタゴニストに分類されていたリガンドの概念にもう一つの新しい範疇が加わることになった.特に最近慢性心不全患者におけるβ遮断薬の有用性が確立し,心機能低下例にβ遮断薬を汎用する現在においてこのような薬理学的特性を無視することはできない.
本稿では,このような慢性心不全患者におけるβ遮断薬治療を想定して,インバース・アゴニストの使い分けを中心に概説する.
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