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特集 強心薬のコントロバーシ-急性心不全に使うべきか,避けるべきか
急性心不全治療に強心剤はできるだけ避けるべき―hANPとの対比
Inotropic Agents or hANP in the Treatment of Acute Heart Failure?
吉村 道博
1
Michihiro Yoshimura
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School Medical Sciences, Kumamoto University
pp.903-907
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100358
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はじめに
心不全治療の目的は,現在生じている生命を脅かす病態の改善とその予後の改善にある.しかしながら,それぞれの目的を達成するための治療薬には相反するものがあり,そこに心不全の治療方針の立て方の難しさがある.特に重症心不全治療においては常にこの点がジレンマとなっている.
血圧が真に低下している心原性ショックの救命のためにはカテコラミン製剤を使用することは当然であろう.それに異論はないと思われる.特に急性心筋梗塞の場合には劇的な血行動態の変化を生じるためにカテコラミンが必要になることもある.本稿では拡張型心筋症や陳旧性心筋梗塞などの左室機能不全をベースにした慢性心不全の急性増悪を中心に述べる.
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