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Current Opinion
冠動脈疾患の診断―不安定プラークの見分け方と治し方
How to Detect and Treat the Vulnerable Plaque
岡崎 真也
1
,
代田 浩之
1
Shinya Okazaki
1
,
Hiroyuki Daita
1
1順天堂大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Juntendo University School of Medicine
pp.307-314
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100275
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プラークの診断をめぐる最近1年間の話題
1不安定プラークの診断
急性冠症候群(acute coronary syndrome,以下ACS)は,急性心筋梗塞・不安定狭心症・心臓突然死を含めた症候群であり,この病態にplaque rupture(プラークの破綻)が密接に関与していることが知られている.ACSの多くは,冠動脈造影上有意狭窄を有さない部位に発症することが知られており1,2),狭窄度の低い部位でも不安定プラーク(以下vulnerable plaque)の有無が患者の病態を知るうえで重要となる.
プラークの性状は,コレステロールエステルを主体とした脂質成分が,fibrous cap(線維性皮膜)に覆われたatheromatous plaqueと細胞外マトリックス成分や平滑筋細胞を主体としたfibrous plaqueとに分けられる.後者は比較的安定型のプラークであり,前者のなかでもfibrous capの薄いものほど破綻しやすいvulnerable plaqueとされている.vulnerable plaqueの特徴は,lipid coreが大きく(コレステロールエステルの含量が多い,いわゆるlipid richなatheromatous plaque),fibrous capが薄く,マクロファージなどの炎症細胞の他に様々な炎症の関与が認められることである3,4)(図1).
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