Japanese
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特集 ACE阻害薬を見直す
ACE阻害薬の心血管病予防効果
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors:Prevention of cardiovascular disease
浅野 毅弘
1
,
高田 佳史
1
,
山科 章
1
Kihiro Asano
1
,
Yoshifumi Takata
1
,
Akira Yamashina
1
1東京医科大学循環器内科
1Department of Cardiology, Tokyo Medical University
pp.347-354
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100184
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はじめに
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は多様な薬理作用を有し,高血圧症のみならず心不全,心筋梗塞後,冠動脈疾患の高リスク,糖尿病および糖尿病性腎症,脳卒中二次予防に対する有効性が大規模臨床試験で証明されている.米国高血圧合同委員会第7次報告(JNC-7)1)において,その豊富なエビデンスによりこれら全ての病態において積極的に適応すべき薬剤に位置づけられている(図1).しかし,本邦においてはACE阻害薬の処方が減少傾向にあり,一方でアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の処方が急速に増加している.ACE阻害薬は副作用である空咳を少なからず認めるため,忍容性においてはARBのほうが優っていると考えられるが,最も重視すべき心血管イベントの予防や生命予後の改善効果において,ARBがACE阻害薬に優っているであろうか.
本稿では,ACE阻害薬とARBの薬理作用機序の違いや大規模臨床試験の成績結果を見直し,ACE阻害薬の価値とその役割について再検討する.
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