Japanese
English
綜説
心疾患患者における気分,不安障害の問題点
The Problem of Mood/Anxiety Disorders with Cardiovascular Diseases or Symptoms
石蔵 文信
1,2
Fuminobu Ishikura
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻医療技術科学分野機能診断科学講座
2医誠会病院男性更年期外来
1Department of Functional Diagnostic Science,School of Allied Health Sciences, Faculty of Medicine, Graduate School of Osaka University
pp.1055-1061
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100114
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はじめに
虚血性心疾患のリスクファクターとして,また予後規定因子としてうつ病が大きく関与していることが知られている.実際に,循環器科外来では精神的問題から生じる様々な症状を訴える患者に遭遇することは稀ではない.といって,精神科や心療内科にわざわざ紹介するほどでもないし,たとえ紹介しても患者が納得して受診してくれる可能性も少ない.少し時間をとってゆっくり話を聞き,抗うつ剤などを投与すれば,ほとんどが改善するのであろうが,患者さんが多すぎてゆっくり対応する時間がないのが現実である.
心疾患患者と気分,不安障害は密接な関連が指摘されているが,実際,われわれには対応のための知識も少なく,時間的余裕もない.心疾患患者における気分,不安障害の問題点とは,循環器科における余裕のない診療システムである,と愚痴を言っても始まらない.ともかく,ここでは心疾患患者における気分,不安障害の問題点とその対応について紹介する.
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