巻頭言
分子イメージング
玉木 長良
1
1北海道大学大学院医学研究科核医学
pp.561
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100066
- 有料閲覧
- 文献概要
画像診断が目覚しく進歩するなかで,形態画像はより高精細な画像をリアルタイムで映像化できる方向に進んでいる.他方,機能画像も多種多様な細胞機能・分子機能を映像化する方法が登場しつつある.とりわけ個別化医療が求められている昨今において,各々の症例において標的臓器や病変における細胞・分子情報を的確に得ることが求められる.
分子生物学の目覚しい発展に刺激されて,得られた分子機能情報を映像化する分子イメージングが注目されるようになった.2000年に米国クリントン大統領の政策として巨額の研究費が投じられ,NIBIB(National Institute of Biomedical Imaging and Bioengineering)が設置された.また,2003年には米国エネルギー省(DOE)が25年間の戦略的計画の中で病気の診断,治療面での重要事項にイメージング研究を位置づけている.他方,英国では2004年にハマスミス病院を中心として,大規模なイメージングセンターを設立することが発表されている.わが国でもこのような動向に刺激されるように,最近分子イメージングに関する大型研究費が投じられるようになり,その成果に期待が寄せられている.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.