Japanese
English
特集 咳喘息と周辺疾患
咳喘息とその周辺疾患の治療
Treatment of Chronic Cough
山縣 俊之
1
,
一ノ瀬 正和
1
Toshiyuki Yamagata
1
,
Masakazu Ichinose
1
1和歌山県立医学大学内科学第三講座
1Third Department of Internal Medicine, Wakayama Medical University
pp.595-602
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100065
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はじめに
咳嗽は,呼吸器系の自覚症状のなかで医療機関を受診する原因として最も多い徴候の一つで,医療経済学的にも大きく影響する重要な問題である1).咳嗽は過剰な分泌物や外来性の異物を喀出するための生体の防御機構であるとともに,一方で病原微生物の拡散をもたらす要因でもある.咳嗽の主な原因は持続期間により分類されることが多いが,持続が3週間以内の急性咳嗽では,急性上気道感染が最も主要な原因であり,ウイルス感染がその大部分を占める2).一方,持続期間が8週間を超える慢性咳嗽では,喫煙の有無が大きな要因の一つになるが,非喫煙者では気管支喘息および咳喘息(cough variant asthma),胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD),後鼻漏症候群(postnasal drip syndrome;PNDS)がその原因の大部分を占めるとされている1).
本稿では,慢性咳嗽の原因として重要な咳喘息,および鑑別が重要な周辺疾患とその治療法について概説する.
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