ミニテクニック
パルスオキシメータを活用する
田口 治
1
1珪肺労災病院呼吸器内科
pp.115
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902367
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パルスオキシメータは末梢循環不全時などでは問題があるものの,低酸素血症(酸素飽和度(SpO2)低下)の検出に威力を発揮する.その手軽さ,非侵襲性,そして反復(連続)測定が可能なことにより,呼吸器疾患を中心に経過観察や病態の把握,治療方針決定への足掛かりとして活用している.
例えば,外来で慢性呼吸器疾患患者に対してSpO2,心拍数を併せて記録し,病状経過判定に用いたり,患者への説明に利用する.また,急性期における気管支喘息発作(図1)や脳卒中,心不全などで一日を通してSpO2がなるたけ90数%を維持できるよう酸素投与量を調整するのに用いる.意外に見逃されているのが過換気症候群患者での発作後や睡眠中,あるいは,一見寛解したと見える喘息発作後患者での思いがけないほどのSpO2低下である.前者は肺胞低換気,後者は末梢気道病変の残存が示唆されるが,場合によっては血液ガスを施行して再評価し,治療上の参考にする.
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