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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
画像所見
胃:白色光通常観察
多発性白色扁平隆起
MWFL(multiple white and flat elevated lesions)
長谷川 梨乃
1
,
八尾 建史
1
1福岡大学筑紫病院内視鏡部
pp.542
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202745
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胃の上皮性非腫瘍性隆起性病変として,腺窩上皮過形成性ポリープと胃底腺ポリープが知られている.それらのポリープ以外に2007年に川口ら1)が胃体部に白色調の扁平隆起性病変が多発してみられることを報告した.その後,Kamadaら2)が同病変を多発性白色扁平隆起(multiple white and flat elevated lesions ; MWFL)と呼称し報告した.MWFLの通常内視鏡所見の特徴は,①白色調,②丈の低い扁平隆起,③多発性,④胃穹窿部〜胃体部に局在することである(Fig.1a).NBI(narrow band imaging)でMWFLを観察すると,背景粘膜が褐色調を呈するため,白色調を呈するMWFLと背景粘膜の色調コントラストが上昇し,病変が容易に視認できる(Fig.1b).同病変のNBI併用拡大内視鏡所見の特徴は,①病変の基部に明瞭なdemarcation lineを認めること,②病変表層の微小血管構築像を視認できないこと,③個々の腺窩辺縁上皮(marginal crypt epithelium ; MCE)の形態は楕円形であり形状が均一であること,④ MCEの幅が広いこと,⑤窩間部の幅はやや広く焦げ茶色を呈することが挙げられる3)(Fig.1c).MWFLの病理組織学的特徴としては,腺窩上皮の過形成性変化を認めることが挙げられる(Fig.2).MWFLの背景粘膜の病理組織学的特徴は,①胃壁細胞の内腔突出,②胃底腺の拡張である3).
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