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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
胃
治療
焼灼術:GAVEに対するAPC焼灼治療
Argon Plasma Coagulation for Gastric Antral Vascular Ectasia
田邉 聡
1
,
石戸 謙次
2
1北里大学医学部新世紀医療開発センター
2北里大学医学部消化器内科学
pp.652
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202385
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胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia ; GAVE)は胃前庭部を中心に血管拡張を認める病態を示し,慢性貧血,消化管出血の原因として認識されている1).GAVEは胃前庭部を中心に血管拡張が放射状に縦走するため,watermelon stomachとも呼ばれている2)(Fig.1a).一方,胃前庭部を主体にびまん性に毛細血管が拡張する病態は,びまん性胃前庭部毛細血管拡張症(diffuse antral vascular ectasia ; DAVE)として報告されている3)(Fig.2).GAVE,DAVEとも毛細血管からの出血が原因で起こる貧血を呈する消化管の出血性疾患である.両者の内視鏡所見は異なるが,病理学的には同じ範疇の疾患と考えられる.
両者とも焼灼術を中心とした内視鏡治療が有用であり,安全性,有効性の点から,アルゴンプラズマ(argon plasma coagulation ; APC)による焼灼治療が推奨される.本稿ではAPCによる焼灼治療の実際について解説する.
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