特集 高齢者・超高齢者消化管癌の内視鏡治療
2 .各論 (1)食道癌 b.食道早期癌に対するAPC 焼灼治療法の位置づけ
田邉 聡
1
,
久保田 陽
2
,
石戸 謙次
2
,
和田 拓也
2
,
東 瑞智
2
,
堅田 親利
2
,
小泉 和三郎
2
1北里大学医学部新世紀医療開発センター
2北里大学医学部消化器内科学
キーワード:
食道早期癌
,
高齢者
,
EMR
,
ESD
,
APC(アルゴンプラズマ凝固)焼灼治療
Keyword:
食道早期癌
,
高齢者
,
EMR
,
ESD
,
APC(アルゴンプラズマ凝固)焼灼治療
pp.661-665
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CGJ.0000000005
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食道早期癌に対する内視鏡治療はEMR およ びESD が普及しているが,基礎疾患合併例や高 齢者に対しては,EMR/ESD の施行が困難な場 合に遭遇する.とくに,肝硬変例,腎不全によ る透析例,抗血栓療法施行例などの基礎疾患を 有するハイリスク患者では,ESD による偶発症 の発生も危惧される.argon plasma coagulation (APC)は非接触型の高周波装置による治療 方法で,認知症合併例で入院加療が困難な場合 においても外来での治療が可能である.15 分前 後の短時間での治療が可能であり,出血,穿孔 などの偶発症もみられない.10%前後の局所再 発の報告があるが,再度のAPC 焼灼で対応が可 能である.今後の高齢化社会に必要な治療の選 択肢の一つと考える.
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