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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
胃
治療
SMTの内視鏡的切除
Endoscopic Resection of Gastric Submucosal Tumor
七條 智聖
1
,
上堂 文也
1
1大阪国際がんセンター消化管内科
pp.640-641
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202378
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胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)のうち,有症状のもの,病理組織学的にGIST(gastrointestinal stromal tumor)と診断されたもの,または5cmを超えるものは手術適応である1).無症状のものでも2cm以上で内視鏡や超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS),CTで悪性所見(潰瘍形成,辺縁不整,増大,壊死・出血,辺縁不整,実質不均一)を認めるものは手術適応となる.また,2cm未満でも増大傾向または悪性所見のあるもの,2〜5cmであれば悪性所見がなくても相対的手術適応となる.
現在,切除可能なGISTの治療の第一選択は外科手術であり,偽被膜を損傷することなく安全なマージンを確保し,肉眼的に切除断端陰性で切除することが求められる.GISTの外科治療において,腹腔鏡下手術は開腹手術と同等ないしはそれ以上に優れた短期成績が報告されている2).ただし,特に内腔発育型の腫瘍では胃壁の切除範囲が必要以上に大きくなり,噴門・幽門近傍の病変では解剖学的に腫瘍のみの切除が困難なため,近位側または幽門側胃切除が必要となるなどの問題点があった.
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