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今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—下部消化管腫瘍
主題アトラス
大腸:管状腺腫・絨毛腺腫
Tubular Adenoma・Villous Adenoma
永塚 真
1
,
田中 義人
1
,
菅井 有
1
Makoto Eizuka
1
1岩手医科大学医学部病理診断学講座
キーワード:
管状腺腫
,
管状絨毛腺腫
,
絨毛腺腫
Keyword:
管状腺腫
,
管状絨毛腺腫
,
絨毛腺腫
pp.291-294
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202267
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概念・定義—管状腺腫・絨毛腺腫とは(腫瘍発生)
大腸腫瘍の腫瘍発生については大腸腺腫から粘膜内癌,進行癌へとプログレッションを示すことが主要な経路とされている(adenoma-carcinoma sequence)1)2).本経路では非腫瘍性粘膜にAPC遺伝子の変異が生じて腺腫が発生し,腺腫の大きさや異型度が増す際にKRAS遺伝子に変異が起きるとされる.腺腫が癌化する際にはTP53遺伝子変異が,染色体レベルでは18q(DCC,DPC4)や8q,22qなどのアレルに欠失が生じ(loss of heterozygosity;LOH),進行癌へと進展する2)3).
前癌病変となる大腸腺腫(conventional colorectal adenoma)は管状腺腫(tubular adenoma),管状絨毛腺腫(tubulovillous adenoma),絨毛腺腫(villous adenoma)に分類される4)5).3者の病理組織学的診断は含有する管状成分と絨毛成分の比率によって分類される.WHO分類では絨毛成分の比率が25%以下の場合は管状腺腫とし,25〜75%の場合は管状絨毛腺腫,75%以上の場合を絨毛腺腫としている5).
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