Japanese
English
今月の主題 胃型形質の低異型度分化型胃癌
序説
胃型形質の低異型度分化型胃腫瘍
Introduction
九嶋 亮治
1
Ryoji Kushima
1
1滋賀医科大学臨床検査医学講座(附属病院病理診断科)
キーワード:
低異型度分化型胃癌
,
低異型度分化型胃腫瘍
,
超高分化腺癌
,
胃型
,
dysplasia
Keyword:
低異型度分化型胃癌
,
低異型度分化型胃腫瘍
,
超高分化腺癌
,
胃型
,
dysplasia
pp.5-8
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201254
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はじめに
2018年年頭の主題は「胃型形質の低異型度分化型胃癌」となった.低異型度癌あるいは超高分化腺癌と呼ばれる腫瘍のうち,胃型形質が優勢なものに着目した特集号である.胃や腸の粘膜内で病理組織学的に(HE染色切片上で)腫瘍と診断でき,限られた視野内で間質浸潤の所見が得られないものをWHO分類1)などの欧米基準ではdysplasiaと呼ぶが,本邦では非浸潤性でもできるだけ“腺腫”と“腺癌”に分類する努力をしてきており,内視鏡診断・治療学もそれに立脚している.胃型の腫瘍性病変では“典型的”な幽門腺腺腫(pyloric gland adenoma)のみを胃型腺腫とし,そうではない胃型腫瘍性病変は“腺癌”とすることが多い.しかし,同じ胃型の腫瘍をみても腺腫と腺癌に診断意見が分かれることがあるのは,本誌の読者や早期胃癌研究会の出席者なら何度も経験されていると思う.したがって,本誌の主題は“胃型形質の低異型度分化型胃癌”であるが,序説のタイトルはあえて“胃型形質の低異型度分化型胃腫瘍”とした.
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