増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
大腸メラノーシス(melanosis coli)
野村 昌史
1
,
大森 優子
2
1さっぽろ大通り内視鏡クリニック
2手稲渓仁会病院病理診断科
キーワード:
大腸黒皮症
,
大腸刺激性下剤
,
アントラキノン系下剤
Keyword:
大腸黒皮症
,
大腸刺激性下剤
,
アントラキノン系下剤
pp.668
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201014
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定義
粘膜固有層内に黄褐色色素顆粒(リポフスチン)を満たしたマクロファージが出現することにより,大腸粘膜が褐色から黒色調を呈した状態で,センナ,大黄,アロエなどのアントラキノン系大腸刺激性下剤を長期間内服することにより生じる.このマクロファージは時に粘膜下層にもみられることがある.
1829年,Cruveilhierが慢性の下痢を訴える患者の大腸が墨汁(チャイニーズ・インク)のようだったと記載したのがはじまりとされ,Virchowは剖検例で同様の症例を経験し,大腸メラノーシスという用語を初めて使用した1).
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