Japanese
English
特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
Clinical Dermatology 1989
I最近話題の疾患とその病態
Friction melanosis
Friction melanosis
濱田 稔夫
1
,
石井 正光
1
,
浅井 芳江
2
Toshio HAMADA
1
,
Masamitsu ISHII
1
,
Yoshie ASAI
2
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
2浅井皮膚科医院
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
2Asai Dermatologic Clinic
キーワード:
friction melanosis (摩擦黒皮症)
,
ナイロンタオル
,
斑状アミロイドーシス
,
真皮性メラノソーム沈着症
Keyword:
friction melanosis (摩擦黒皮症)
,
ナイロンタオル
,
斑状アミロイドーシス
,
真皮性メラノソーム沈着症
pp.547-551
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204117
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比較的若いやせ型の女性に好発し,骨の直上部にみられる特異な褐色色素沈着症が注目されるようになり,入浴時にナイロンタオル使用などの慢性の機械的刺激が一因と考えられるfric—tion melanosis (摩擦黒皮症)について,代表的な3症例を呈示して検討を加えた.Friction melanosisの臨床像は骨の直上部とともに,ナイロンタオルなどで摩擦を受ける部分にも,びまん性,網目状の褐色色素沈着がみられ,臨床像にも幅があることが明らかとなった.病理組織学的,組織化学的所見では,表皮基底層のメラニン顆粒の増加と真皮上層に多数のメラノファージを認めるが,細胞浸潤は軽度である.アミロイド染色ではアミロイドの沈着を認める例は少ないものの,アミロイド沈着例も出現することより,斑状アミロイドーシスとの異同についても私見を述べ,皮膚色素沈着症のうちの,真皮性メラノソーム沈着症の発症機序の今後の展望についても触れた.
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