増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
腸間膜付着側・付着対側(mesenteric side, antimesenteric side)
斉藤 裕輔
1
,
稲場 勇平
1
1市立旭川病院消化器病センター
キーワード:
縦走潰瘍
,
Crohn病
,
Peyer板
Keyword:
縦走潰瘍
,
Crohn病
,
Peyer板
pp.658
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201005
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定義
腸間膜(mesentery)は腹部内臓を包み込む往復2葉の腹膜が合わさって生じる膜構造物を指し,狭義には空・回腸の間膜を腸間膜と呼ぶ.その根部〔腸間膜根(root of mesentery)〕は第二腰椎体の左方から右腸骨窩に約15cmの長さを持つ.腸間膜は消化管に出入りする脈管・神経の通路として重要である.
腸間膜付着側とは,空腸,回腸における小腸係蹄の内側を,付着対側とは小腸係蹄の外側を指す.内視鏡検査時に観察しやすい側がおおよそ腸間膜付着対側,斜向かいとなり見づらい部位が腸間膜付着側である.小腸疾患,特に炎症性疾患を診断する際,この腸間膜付着側・付着対側の概念は極めて重要である1).
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