今月の臨床 胎児へのlife line臍帯
臍帯の臨床
5.臍帯辺縁付着,卵膜付着
水谷 隆洋
1
,
末原 則幸
1
1大阪府立母子保健総合医療センター産科
pp.916-918
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903710
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臍帯は,胎盤で交換された物質や酸素などを胎児に輸送する大切なルートであり,臍帯の胎盤への付着部に異常があった場合,さまざまな周産期異常の原因となることは,容易に理解できる.臍帯の胎盤付着部位は,その位置によって,中心,側方,辺縁,卵膜付着に分類される.臍帯は,通常は胎盤の中心あるいは側方に付着するが,まれに辺縁付着(marginal insertion),卵膜付着(vela—mentous insertion)となり,この両者は,とくに卵膜付着では,臍帯付着異常として周産期罹病率が高いとされている.本稿では,臍帯付着異常について諸家の報告をレビューするとともに,大阪府立母子保健総合医療センターで経験した過去17年間の症例における臍帯付着異常の臨床的特徴について検討した.
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