Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患
主題症例
非腫瘍性疾患:Cronkhite-Canada症候群の胃病変
Gastric Lesions of Cronkhite-Canada Syndrome
森下 寿文
1
,
蔵原 晃一
1
,
八板 弘樹
1
,
渡邊 隆
1
,
河内 修司
1
,
長末 智寛
1
,
久能 宣昭
1
,
阿部 洋文
1
,
原田 英
1
,
岩㟢 一秀
1
,
大城 由美
2
,
小林 広幸
1,3
,
江崎 幹宏
4
,
渕上 忠彦
1
Toshifumi Morishita
1
1松山赤十字病院胃腸センター
2松山赤十字病院病理診断科
3福岡山王病院消化器内科
4九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
Cronkhite-Canada 症候群
,
胃病変
,
消化管ポリポーシス
,
胃ポリポーシス
,
鑑別診断
Keyword:
Cronkhite-Canada 症候群
,
胃病変
,
消化管ポリポーシス
,
胃ポリポーシス
,
鑑別診断
pp.806-809
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200325
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疾患の概念
Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canada syndrome ; CCS)は1955年にCronkhiteとCanada1)によって初めて報告された,消化管ポリポーシスに脱毛,皮膚色素沈着,爪甲異常など外胚葉系の消化管外病変を伴う非遺伝性疾患である.その頻度はまれであるが,本邦からの報告が多く,全世界の3/4以上を占める.発症は中年以降に多く,やや男性が多い2)3).
CCSの病因は不明であるが,発症誘因として身体的疲労,精神的ストレス,感染,薬剤や自己免疫疾患などが想定されている3).病態としては,消化管ポリポーシスと炎症性変化によって蛋白漏出性胃腸症と吸収障害が惹起される.本疾患は初発症状から,I型:下痢,II型:味覚異常,III型:脱毛・爪甲異常,IV型:食欲不振・全身倦怠感の4型に分類されるが,下痢を主徴とするI型が約60%と最頻であり,重度の栄養障害を伴うことが多い4).
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