Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患
主題症例
非腫瘍性疾患:若年性ポリポーシスの胃病変
Gastric Lesions of Juvenile Polyposis
鳥谷 洋右
1
,
安孫子 幸人
1,2
,
千葉 俊美
1
,
永塚 真
3
,
上杉 憲幸
3
,
菅井 有
3
,
松本 主之
1
Yosuke Toya
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
2盛岡赤十字病院消化器科
3岩手医科大学医学部病理診断学講座
キーワード:
若年性ポリポーシス
,
胃限局性若年性ポリポーシス
,
過誤腫
,
鑑別診断
Keyword:
若年性ポリポーシス
,
胃限局性若年性ポリポーシス
,
過誤腫
,
鑑別診断
pp.810-813
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200326
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疾患の概念
若年性ポリポーシス(juvenile polyposis ; JPs)は,消化管に過誤腫である若年性ポリープ(juvenile polyp ; JP)が多発するまれな疾患である.1964年にMcCollら1)が大腸に多発する若年性ポリープを認める症例を報告して以降,本疾患は現在,大腸限局型(juvenile polyposis coli),胃限局型(gastric juvenile polyposis),全消化管型(generalized juvenile polyposis)に分類されている.
弧発性の症例の報告2)もあるが,常染色体優性遺伝を示す家族性の症例が報告されており3),遺伝子変異としてはSMAD4もしくはBM-PR1A遺伝子変異の関与が知られている.特に,SMAD4遺伝子変異を認める症例では形質発現が顕著となることが知られている4)5).胃限局型のJPsでは高率に胃癌を合併することが知られており6),慎重な臨床対応を要する.
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