Coffee Break
見る 6.身体で見る
長廻 紘
pp.1067
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113866
- 有料閲覧
- 文献概要
われわれは眼耳鼻舌皮膚の五感を通して外界を知る.「見聞」にみるように,五感のうちでは見ると聞くは別格で,さらに,百聞は一見にしかずというように,見るは聞くよりも圧倒的である.すなわち,見るは知るとほぼ等しいと考えてさしたる不都合はない.平知盛が壇ノ浦の海に身を投じる時に言った「見るべき程のことは見た」は,「すべてを知った」と同じである.
ものを知る方法には二つある.知識を他から得る(他動的)と,自力で得る(自主的)と.他から得るとは外から情報を仕入れることである.書物文献を読むことと,学校教育に典型的な教育などである.受動的であるから自己の能力を超えれば消化できないし,簡単に消え去りうる.入門不是家珍.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.