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編集後記
小山 恒男
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1佐久総合病院胃腸科
pp.401
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113764
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隆起型の食道癌には扁平上皮癌のみならず,basaloid squamous carcinomaやmucoepidermoid carcinoma,adenoid cystic carcinoma,endocrine cell carcinoma, carcinosarcoma,melanomaなど,特殊な組織型を呈する病変も多い.しかし,特殊型食道癌は頻度が低いため,これらの鑑別診断は難しい.まずは基本を知るべきである.そこで,最も頻度の高い扁平上皮癌に関する病理学的検討から始めることにした.
藤田は112例の外科切除および内視鏡切除材料を詳細に検討し,0-Iと0-IIa型では深達度診断の指標が異なることを解説した.病理組織学的検討が主であるため,臨床家には読みにくいかもしれない.しかし,本論文には多くのルーペ像が提示されている.ルーペ像から発育様式を知り,隆起を呈した理由を考察することが,臨床診断能向上に有用である.
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