特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔胃〕
NSAIDs起因性胃潰瘍(NSAIDs-induced gastric ulcer)
溝上 裕士
1
,
岩本 淳一
2
1筑波大学附属病院光学医療診療部
2東京医科大学茨城医療センター消化器内科
pp.754
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113335
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この用語について,正式な定義はない.一般的には,非ステロイド抗炎症薬(nonsteroidal antiinflammatory drug;NSAID)の投与が原因で発生した胃潰瘍とされている.NSAIDs起因性の胃腸傷害は1970年頃から欧米を中心に報告がなされ,1980年代からは本邦でも注目を集めるようになった.H. pylori感染率の低下と高齢化により,NSAIDs潰瘍がクローズアップされており,近年は抗血小板薬として用いられている,低用量アスピリン(low-dose aspirin;LDA)による潰瘍が増加している.
非アスピリンNSAIDとLDAによる傷害は,区別して論じられることが多い.非アスピリンNSAIDとLDAを総称し“NSAIDs”,非アスピリンNSAIDのみを“NSAID”と称することもある.
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