特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔胃〕
Crohn病胃十二指腸病変(gastroduodenal Crohn's disease)
長坂 光夫
1
,
平田 一郎
1
1藤田保健衛生大学消化管内科
キーワード:
竹の節状外観
,
bamboo-joint sign
,
notch様陥凹
,
thumb-printing像
Keyword:
竹の節状外観
,
bamboo-joint sign
,
notch様陥凹
,
thumb-printing像
pp.755
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113336
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1937年,Gottliebら1)がCrohn病に伴う胃・十二指腸病変を報告して以来,Crohn病の胃・十二指腸病変が高頻度に存在することが明らかになった.1983年,八尾ら2)は胃で89.7%,十二指腸で86.2%と高率に胃・十二指腸病変が存在したと報告している.横田ら3)~5)は1994年にCrohn病患者の胃体部小彎の“竹の節状びらん”,“竹の節状外観”に着目しCrohn病に特徴的な病変と提唱した.
現在Crohn病の胃・十二指腸病変に特徴的な所見は胃病変である“竹の節状外観”と十二指腸病変の“notch様陥凹”である.いずれもインジゴカルミン色素撒布によりわずかに認識できる程度の軽度なもの(Fig. 1)から,通常内視鏡所見でも明らかに認識できる高度なもの(Fig. 2)まで様々である.“竹の節状外観”は,通常は噴門部~胃体上部の皺襞に対して垂直に認める3~10本程度の切れ込み様の所見である.切れ込みの存在する皺襞は1~数本と様々で,高度なものでは発赤を伴う結節状の所見を呈する(Fig. 3).また,十二指腸の“notch様陥凹”は十二指腸球部~下行脚のKerckring皺襞(輪状ひだ)に数本の“切れ込み”を呈する(Fig. 4).この場合は竹の節状外観に比して内視鏡の通常観察でも比較的容易に判別できることが多い.
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