特集 図説 胃と腸用語集2012
画像所見〔腸〕
縦走潰瘍(longitudinal ulcer)
別府 孝浩
1
,
松井 敏幸
1
1福岡大学筑紫病院消化器内科
pp.710
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113299
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
縦走潰瘍とは,腸管の長軸方向(縦)に沿った潰瘍を意味する.内視鏡的には,細くて長い白苔を有する潰瘍である.典型的な縦走潰瘍を呈する疾患として,Crohn病,虚血性大腸炎がよく知られるが,そのほかの腸炎でもみられる.
Crohn病の診断基準改訂案(渡辺班,2011年)では,縦走潰瘍とは『4~5cm以上の長さを有する腸管の長軸に沿った潰瘍』と定義している(Fig. 1)1).小腸病変は,典型的には縦走潰瘍を腸間膜の付着側に形成する.Crohn病の大腸病変は,幅の広い縦走潰瘍(Fig. 2)を形成し,治癒とともに片側性変形を呈する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.