特集 図説 胃と腸用語集2012
解剖
十二指腸・小腸の解剖用語
岩下 明德
1
,
田邉 寛
1
1福岡大学筑紫病院病理部
pp.625-626
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113241
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小腸は,胃の幽門に始まり,回盲口によって盲腸に開くまでの全長約6mの中空性器官である.胃で糜汁化した食物を下部消化管へと輸送しつつ,小腸自身や付随する腺(肝や膵臓)から分泌された消化酵素によってそれを完全に消化し,栄養分を吸収するという第一義的機能のほかに,人体最大の免疫器官としての機能も有する.
小腸は,十二指腸,空腸および回腸の3つの部位に区分される.十二指腸は小腸の初部を成し,胃の幽門から十二指腸提筋(Treitz靱帯)で固定された十二指腸空腸曲までの20~30cmの部位をいう.十二指腸は腸間膜を欠き,前面をおおう腹膜の続きによって後腹壁に固定されており,膵頭部の縁を取り囲むように左上方に開いたC字状の走行を示す.下行部ほぼ中央の後内側壁に十二指腸乳頭が隆起し,ここに総胆管と膵管が合一して,あるいは別々に開口する.
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