外科医のための生理学
十二指腸・小腸—分泌の生理
土屋 周二
1
,
福島 恒男
1
1横浜市立大学医学部第2外科
pp.841-843
発行日 1975年7月20日
Published Date 1975/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小腸粘膜の構造と分泌
小腸粘膜は高さ1mmの絨毛と深さ0.3〜0.5mmのLieberkühn小窩から成る.絨毛は吸収細胞に覆われ,小窩底部の未分化細胞から発生した新しい細胞が順次絨毛の頂点に達してここで脱落し,約2日で交代するといわれる.吸収細胞の間には杯細胞が介在し,粘液を分泌する.小窩にはこのほか,機能の不明なPaneth細胞や内分泌機能を持ついくつかの細胞が存在する.また十二指腸には特殊な形態を持つBrunner腺がみられる(第1図).
小腸の主な機能は,これを覆う細胞のうちもつとも多数を占める吸収細胞による栄養分の吸収であるが,ここでは同時に大量の液体の外分泌と再吸収が行なわれている.また特殊な細胞の機能による内・外分泌がみられる.とくに内分泌については近年加えられつつある多くの知見が注目される.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.