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編集後記
八尾 恒良
pp.988
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113031
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陥凹型早期大腸癌の特集号編集に踏み切るまでには種々の討論があった.反対の代表は,症例も少なく時期尚早という意見であった.しかし,症例は少なくとも発見のきっかけとなる内視鏡所見は特徴的で,共通するニュアンスをうかがい知ることができる.この“ニュアンス”を多数の読者にみていただくことで,もっと多数の,もっと典型的な症例の発見につながる可能性がある,という意見が時期尚早論を制した.
陥凹性早期大腸癌は,少数例しか発見されていないが,もし多数例が発見されれば,大腸癌の発育進展過程のブラックホールを白日のもとに曝し出せる可能性があると思う.そういった意味では,早期胃癌に匹敵する業績になるであろう.そして,その発見は日本の,診断のプロにしかできないであろう.
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