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病理学講座 消化器疾患の切除標本―取り扱い方から組織診断まで(6)
切除標本の切り出し方
Introductory Course of Gastrointestinal Pathothology (6)
喜納 勇
1
Isamu Kino
1
1浜松医科大学第1病理
pp.735-738
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112919
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切り出し総論―(1)
一般臨床検査室や病院病理部における,摘出臓器の切り出しの目的は,その病変の質的診断が第1の目的であることはもちろんのことであるが,そのほかに種々の目的を兼ねている.まずその病変の立体構造の把握であり,それに伴う病変の範囲の決定である.更に悪性腫瘍の場合は所属リンパ節の検索である.
欧米諸国の切り出しは上記の事項でほとんどその目的のすべてが尽くされるが,本邦では,切り出しについても,多少とも研究的な面が加味されている.そして,この研究的態度による切り出しが本邦の臨床病理学的な消化管研究を進歩させた原動力となった.欧米における実用一点ばりの切り出しに対する態度がいかに進歩を阻害しているかは,最近米国を訪れ,二,三の病院を見学する機会があって今更ながら痛感した.
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