Japanese
English
今月の主題 胃粘膜―(2)潰瘍,ポリープの背景として
主題
胃隆起性病変の背景としての胃粘膜病変と胃液分泌機能
Gastric Mucosal Change and Secretory Function as a Background of Elevated Lesion of the Stomach
福地 創太郎
1
,
望月 孝規
2
S. Fukuchi
1
1虎の門病院消化器科
2虎の門病院病理学科
pp.179-183
発行日 1975年2月25日
Published Date 1975/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112154
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胃の局在性病変を論ずる場合,とかく病変自体の形態学的性状に関心を奪われ,局在性病変の発生の場である胃粘膜の形態学的変化や分泌機能との関連についての考察がおろそかになりがちである.胃の各種隆起性病変についても,好発年齢,好発部位,病変を取り囲む胃粘膜の性状,胃液分泌機能などは多少とも異なり,このような種々の背景に注目することは,病変の的確な診断のためにも,その成因や本態の解明のためにも重要である.
胃隆起性病変には種々の型があるが,そのうち,粘膜下腫瘍は胃粘膜の形態学的変化や胃液分泌機能との直接の関連が乏しいと考えられる.また,いわゆるたこいぼ型のびらん,あるいは疣贅状胃炎とよばれる病変は,一般に萎縮の少ない,胃酸分泌のよく保たれている胃粘膜に好発し,胃液の自己消化作用による頻回のびらんの結果として発生するものと考えられるので,むしろ消化性潰瘍と近縁の病変と見なし,今回の検討からは除外した.
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