Japanese
English
今月の主題 胃の隆起性病変(polypoid lesion)―その形態と経過
主題
胃隆起性病変の病理と問題点
Pathological Problems of Polypoid Lesion of the Stomach
望月 孝規
1
T. Mochizuki
1
1日本専売公社東京病院検査科
pp.379-382
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108838
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本号の座談会でも話題となっているが,まず胃の隆起性病変(polypoid lesion)という定義が生じた事情について述べる.Poiypという語を初めて用いたのは,Gallenosであり,鼻孔から突出している粘膜が,小さなクラゲに類似していたためと言われている.この語は,消化管粘膜の隆起性の変化の肉眼的記載にも用いられ,更には病理組織学的にも隆起性病変のうち,悪性でないものを意味するようになった.
私は,かつて“胃のポリープの悪性化”を考察するための前提として,胃ポリープについての諸家の記載と組織像を対比して検討した結果,おのおのの著しく異なる内容に驚いたことがあり,この語は少なくとも肉眼的形態の形容としては用いられようが,組織学的所見を表す語としては,種種の形容詞を付けても厳密な表現となりえないと考えられた1).日本大腸癌研究会の組織学的分類の欄にも,同じ趣旨の記載がある.
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