カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・17
胃隆起性病変—その1
高木 国夫
1
1癌研究会附属病院外科
pp.1530-1531
発行日 1976年12月20日
Published Date 1976/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206631
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胃内に隆起した病変には,種々の病変があつて,現在では,良性悪性を含めて隆起性病変(polypoid lesion)と総称しているが,この隆起性病変には,良性では,腺腫性ポリープ,粘膜下腫瘍,悪性では,Borrmann I型の進行癌,I,IIaの早期癌,平滑筋肉腫等,さらに良悪性の境界病変異型上皮がある,これら種々の病変の診断にあたつて,内視鏡の役割が大きく,良悪性の鑑別もなかなか容易でないことがある.
これら胃内隆起性病変を形態の上から分類して診断の上に役立させるために,①のごとぎ分類がなされた(山田の分類).隆起と周囲粘膜との境界を重視して,境界の不明瞭なものから,くびれのあるもの,有茎性のものである.この分類と病変の大きさとの関連から,II-III型のもので,直径1cm内外では,良性腺腫性ポリープ,直径2cm以上では,癌がみられ,境界不明瞭なI型には,粘膜下腫瘍が多く.また有茎性のものでは,2cm以上になると癌が多いことが示された.
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