一頁講座
胃粘膜表面のAH法実体顕微鏡観察―(3)Ⅱa型早期胃癌
吉井 隆博
1
1日本医科大学病理学教室
pp.1740
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111426
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Ⅱa境界Ⅱa境界は一般に鮮明である.AH法実体顕微鏡的に観察すると大体4型に分けることができる.すなわち図1に示すごとく隆起の範囲と癌の範囲が完全に一致する型(J型;JustのJ)と,隆起した辺縁は非癌粘膜の過形成であって癌はそれよりやや内部にある,言いかえれば隆起した過形成性非癌粘膜で縁取られたⅡa境界(H型;HemのH)の2型がまづ分けられ,両型それぞれにくびれをもって隆起するもの(J-1型,H-1型)と,もたないで隆起するもの(J-2型,H-2型)が分けられる.また,何れの型においてもその境界線は外側に向って凸の弧を描いているが,強い不規則なヂグザクな線を示すものと,比較的なめらかなゆるい弧を描くものがある.
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