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入門講座・7
小腸X線検査の実際
Radiological Examination of the Small Intestine (7)
八尾 恒良
1
Tsuneyoshi Yao
1
1福岡大学筑紫病院内科
pp.889-892
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111119
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2)Kerckringのひだの変化―[1]
小腸のX線写真の読影に最も大切なのは描出されたKerckringひだの読影であろう.Kerckringひだの異常所見は小腸のあらゆる疾患にみられ,逆に言えばKerckringひだの異常を起こさない小腸疾患はないと言っても過言ではない.そして,その異常は大まかには,①皺襞幅の肥厚,②腸管の一定の長さあたりの皺襞数の増加,③皺襞表面の微細変化,④皺襞破壊像,に分けられるように思う.前二者は経口法による充盈像から読影可能であるが,皺襞表面の微細変化は二重造影でないと読み取れない.
①皺襞幅の肥厚:Kerckringひだの幅は適当に拡張した腸索で評価した場合,空腸で1.7~2mm,回腸で1.4~1.7mmで,管腔の径の大小に左右されないので皺襞山の幅が2.5mm以上であれば異常所見とされている(Herlinger,1979).
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