Japanese
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入門講座・5
小腸X線検査の実際
Radiological Examination of the Small Intestine (5)
八尾 恒良
1
Tsuneyoshi Yao
1
1福岡大学筑紫病院内科
pp.611-614
発行日 1990年5月25日
Published Date 1990/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110905
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8.メチルセルロース水溶液を用いる小腸造影法(Herlinger法)
欧米では硫酸バリウムと空気による小腸二重造影法はほとんど用いられていないようである.その証拠に数多い欧米の小腸X線診断学の本に二重造影像を呈示したものは少なく,最近のHerlingerの本も二重造影の所は白壁教授が担当され,MargulisのAlimentary Tract Radiology(1983)でも数少ない小腸二重造影像は小林・政両先生の写真である.
欧米で用いられている方法は空気の代わりに温水を用いる薄層法(Sellink JL, 1971),メチルセルロース溶液を注入するHerlinger法(Herlinger H, 1978)である.前者は低濃度のバリウムを用い,本邦における小腸二重造影法を発展させるきっかけを作ったが,空気の代わりに温水を注入したのではバリウムの小腸粘膜への付着が悪く,短時間のうちに検査を終了しないとうまくゆかないのが欠点であった.メチルセルロースを注入する方法は,検査に比較的長い時間(30~40分間)をかけても,まあまあの像を撮影することができる.
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