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書評「実技を主とした腸管X線検査法」
市川 平三郎
1
1国立がんセンター
pp.1304
発行日 1969年10月25日
Published Date 1969/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111026
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昭和33年の日本内科学会総会における弘前大学松永教授の「潰瘍性大腸炎」という宿題報告があまりにもみごとであったために,当時演説をお聞きした者はもちろん,その後出版された同名の美しい著書を見た者は,わが国においては比較的少ないといわれるこの疾患に対して強烈な印象を刻みこまれたものであった.以来,大腸疾患というと松永教授ならびにその御一門の名が必ずといっていいほど,書籍を飾ってきてすでに10年をこえているのである.この間,松永教授を補佐し,美しいX線写真を暗室の中で黙々と製造してこられた,当時の助教授山口保博士が自ら執筆された本であるから,まさに期待の著書である.
本書は,小腸のX線検査法と,大腸X線検査法との二部からなっている.いたずらに論理のみに走らず,本書の特徴はむしろ,著者の長年にわたる貴重なまた豊富な経験をメモ的に,随所にちりばめた実地的なものである.
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