印象記
First International Symposium on Detection of Cancer
崎田 隆夫
1
1国立がんセンター内科
pp.265-269
発行日 1969年2月25日
Published Date 1969/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110965
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この第1回の国際学会は,昭和43年9月26日より29目の4日間,ベルギーのSPAという所で行なわれた.日本からは,肺癌に関し,東北大学鈴木千賀志,胃癌について,日大有賀内科高橋淳,順天堂大学内科白壁彦夫,京都府医大増田内科川井啓市の4氏と私,合計5人が参加した.
この学会のorganizationの詳細は分らないが,ベルギーの癌学者が中心となり,主としてフランスの癌学者に相談して,でき上ったもののようであることがプログラムよりうかがわれた.ベルギーは癌対策の進んだ国で,多数の癌病院,癌研究所があるようである.SPAというのは,ベルギーの首都ブラッセルより汽車で約1時間東に行ったところにあり,欧州の温泉の発祥地だそうで,丁度その100年祭にあたるので,そのお祝をかねてこの国際学会の地に選ばれたそうである.今後この国際会議がどうなるかわからないが,若し発展するとすれば,第1回の記念の土地となるわけである.そして,そのSPAというのは誠に小さな静かな町で,温泉療養に来ているのかなと思われるビッコをひいた老人が時折街かどで人目をひく程度で,一寸見ると,温泉地であることもわからない.ひっそりした,然しきれいな村といったほうがよい土地で,ルーレソトの行なわれるカジノがあるのが唯一の特長といえる印象であった.そしてそのカジノが学会場であった.
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