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福島医大には五の井,五十嵐(第二内科)両先生等目本最高レベルの方が居られるのに一般的には胃のX線診断に関する知識は必ずしも進んでは居りませんでした.昭和41年7月郡山に白壁先生をお迎えして“早期胃癌のX線診断について”の御講演を拝聴したのを機にして吾々も福島県に消化器病研究会を作ろうと云う気運がもり上り,佐藤正次,伊藤伊三雄,木村享,折笠勝英,それに私と五人が発起人になり会が発足致しました.その際に申合せた事を今思出すと,①胃癌に限らず広く消化器病全体について話合う.②誰でも気軽に発言出来る雰囲気にする,③よい写真でも悪い写真でもそれはそれなりに読める筈であり,よりよい写真を撮る工夫を話合うことこそ大切である.以上の様なことでありました.とりあえず発起人が幹事になり当番で司会をすることにして,毎月第四木曜日,午後6峙から郡山市の商工会館を会場に始りました.郡山市は丁度福島県の中央にあり,交通の便もよいので常に30~50人の出席者があり,特に福島医大第二内科のバックアップもあって会はその後順調に成長して居ります,消化器病研究会と名づけたが,なんと云っても中心になるのは胃癌の症例で,簡単な病歴と検査成績の紹介があってX線写真の読影になりますが,最初第二内科の若い先生方に読んで戴き,続いて開業医の方,病院の勤務医の方にお願いし,最後に五の井,或は五十嵐先生に御意見を述べて戴きます.内視鏡の写真も同様に読んで戴き,最後に手術所見を報告して戴いて,その症例のまとめと致します.症例は1回に3例位出るのが普通です.何と云っても結論をつけて戴ける五の井,五十嵐両先生が顧問として御出席されて居ることがこの会のこの上ない幸いだと常に感謝して居ります.
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