--------------------
書評「胆嚢疾患のX線診断」
三輪 清三
1
1千葉大内科
pp.208
発行日 1969年2月25日
Published Date 1969/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110940
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
胆嚢疾患というものは,その診断は一見易いように見えるが,実際は仲々むずかしいものである.その易いというのは他の疾患との鑑別を.卜分しないで唯臨床症状のみで診断をつけてしまうことが比較的多いからでもあろう.胆嚢炎にしても,胆石症にしてもそうである.本書の著者の序文にも述べられておるように,胆嚢疾患は,われわれ臨床医家が,日常遭遇することが非常に多いものである.そしてそのしっかりした診断ということになると仲々むずかしいものである.そこで診断法というものがいろいろと考えられ,発展してきたのである.
この胆嚢疾患の診断法として最も有力なるものはX線診断であることは周知の通リであり,このX線診断法も,その造影剤が世の中に出てから40数年になるが,以来いろいろと改良もされ,その手技についても熱心なる諸家により次第に発展し,最近では仲々立派な造影がなされ,われわれ臨床医家も,ちゅうちょすることなくその診断をつけられることがしばしばあるようになってきている.又最近では直接胆嚢造影法も,比較的副作用もなく行なわれるようになり,又テレビを利用してこれを行なうことにより,一層殆ど何等の副作用もあらわれず.しかも普通の造影ではうっらない胆嚢や胆管までも極めて鮮明にうっし出されるようになってきた.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.